2019年に放送がスタートしたドラマ『サ道』。そのドラマを皮切りに、世間ではサウナブームが到来。「サウナー」「ととのう」など、ドラマをきっかけに生まれた言葉も多数ありましたね。ドラマが放送された2019年には「日本サウナ大賞」を受賞している話題の作品、その魅力や「見るべき!」とおすすめされる理由についても深掘りしていきましょう!
もくじ
『サ道』ってどんなお話?
初めて『サ道』が刊行されたのは2011年。原作者のタナカカツキさんがサウナにハマっていく過程を、イラストとエッセイを交えて描いた書籍でした。その後2014年に『マンガ サ道〜マンガで読むサウナ道〜』として連載が始まり、2019年にドラマ化となったのです。ドラマでは、主人公・ナカタが様々なサウナやカプセルホテルを訪れ、その特徴や感想を語るストーリー展開。そして、流行語大賞ともなったアノ言葉「ととのう」までの姿が描かれます。
愛すべき『サ道』の登場人物たち
ナカタアツロウ(演・原田泰造)
サウナー仲間からは「ナカちゃんさん」と呼ばれ親しまれている、物語の主人公。幼少期、実父もサウナ好きであったことから縁があり、サウナーとなります。
偶然さん(演・三宅弘城)
「偶然、偶然!」が口癖の、ナカタのサウナー仲間。職業は営業マンをしており、私生活では小学生の娘を持つ父親でもあります。
イケメン蒸し男(演・磯村勇斗)
経営コンサルタントをしている、ナカタや偶然さんとは世代の違う若者サウナー。サウナ歴は他のサウナーより浅いものの、知識量は豊富なややキザキャラ。
『サ道』から生まれた流行語
本作からは、様々な新語が誕生したことでも話題を呼びました。サウナブームの火付け役になったことはもちろん、サウナに関する言葉や表現など、今まで言語化できなかったサウナの特徴や効果も、新語として世に広まることとなったのです。
「サウナー」
サウナーとは、サウナ愛好家の呼び名です。ドラマでいうと主人公のナカタ、そしてサウナ仲間の偶然さんとイケメン蒸し男くんがサウナーですね。サウナブームが巻き起こってからというもの、サウナは「おじさん」や「サラリーマン」が仕事の疲れを癒やすだけの場所ではなく、年齢・性別問わず人気が集まっているのです。サウナーといえば、お笑い芸人・サバンナの高橋茂雄さんとタレントの清水みさとさんが、サウナー同士で結婚するという幸せエピソードも記憶に新しいですよね。
「サ活」
就活、婚活など、何かに勤しむ活動を表す〇〇活という呼称。「サ活」とは言葉通り、サウナを楽しむ活動を意味します。しかし、単にサウナに入ることを「サ活」と呼ぶわけではないようです。定期的にサウナに通い、サウナ→水風呂→休憩という一連の流れを楽しみ、サウナで得られる効果を最大限に感じる活動こそ、「サ活」と呼ぶにふさわしいでしょう。次にご紹介する「ととのう」という状態を感じられるまで、サウナを楽しんで初めて「サ活をしている」といえるのかもしれませんね。
「ととのう」
『サ道』で注目を浴びた流行語の中で最も感動を呼んだのは、サウナを楽しんだあとに感じられる「ととのう」という状態を表す言葉。簡単に言うと、サウナ→水風呂→休憩を繰り返すことで、心身ともに「整う」状態のことだそうですが、実際にサ活をしている人たちにとっては、そんなに簡単に言語化できるものではないといいます。マラソンに例えると、「このままどこまででも走れそうだ」と感じる”ランナーズハイ”、出産経験のある女性が、出産後に「赤ちゃんを産んだんだ」という気持ちが高まって眠れなくなる”産後ハイ”のように、現実離れしたトランス状態になることが、サウナーにはあるのだそう。実際、「ととのう」という状態はサウナハイやサウナトランスとも呼ばれるんですよ。
サウナーじゃなくても『サ道』を見るべき理由とは?
趣味を通じて深まる人との絆が見られる
主人公のナカタ、そして偶然さんとイケメン蒸し男くんは、出身も年齢も職業もバラバラ。サウナで出会っていなければ共通点がなく、交流することもなかったであろう異色の3人なんです。まさに、サ活が繋いだ人と人との出会い。家や学校、アルバイト先、職場という固定の場所では出会えない人との関わりを、サウナという場所で経験する3人の和気あいあいとした空気感には、まるでサウナのように心が洗われることでしょう。本名が語られることもなく、サウナ以外での交流もない、まさにサウナーネットワークの中で繋がる人間模様も、ドラマ『サ道』の見どころの1つです。
心の居場所の大切さが分かる
『サ道』に出てくる登場人物にとって、サウナというのは大事な心の居場所の1つ。自宅や学校、職場以外にも、心が休まり癒される場所があるというのは、生きていく上でとても大切なことです。ナカタ、偶然さん、イケメン蒸し男くんにとってサウナは、誰を気遣うこともなく1人で「ととのう」ための大事な居場所。そこで出会った3人だからこそ、サウナーとして個々を尊重し合い、お互いのサ活を妨げることのない交流が続いています。人間関係に疲れたとき、自分という1人の人間と向き合うきっかけを知ることのできるドラマになるでしょう。
サウナに行きたくなる!
ドラマ『サ道』は、総合的に”サウナに行きたくなる”衝動に駆られる…そんな作品になっています。サ活を通した人間関係、それぞれが人生を懸命に生きる中、サウナという大切な居場所で心身ともに「ととのう」ことで、また前向きに歩き出すことのできる、そんなリフレッシュ方法を知ってしまったからには、ドラマ視聴後、きっとあなたも近所のサウナを調べ始めてしまうことでしょう。
まとめ
空前のサウナブームを巻き起こしたドラマ『サ道』。2019年に実写化されてからというもの、シリーズ化して幾度となく放送されてきましたね。今では、ナカタや偶然さん、イケメン蒸し男くんなど登場人物の近況が気になって仕方がない!という視聴者も多いほど、世間を沸かせた作品の1つとなっています。今までサウナに興味がなかったという人でも、新しいサウナの常識に驚かされること間違いなしでしょう。そして、サウナという狭い空間の中で育まれる温かな人間関係、幸せを生むサウナの魅力に憑りつかれてしまうかもしれません。